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朱鎔基総理、アメリカを公式訪問

 

対話で理解を求めた朱鎔基総理の訪米 

朱鎔基総理

中国はいつWTOに加盟できるか

中米貿易のアンバランスの原因

朱鎔基総理、中米貿易のアンバランスについて語る

 

対話で理解を求めた朱鎔基総理の訪米

 朱鎔基総理は九日間のアメリカ訪問の期間に、しっかりした、健全に発展した中米関係は両国国民の根本的利益に合致するものであるのに、アメリカ側の近視眼的行為とこの問題におけるあいまいさによって残念な結果となったと説得力を持って表明した。朱鎔基総理は機知とユーモアに富み、原則を堅持した言動で、アメリカ人相手に生き生きとしたレクチャーを行った。その外交上の魅力もアメリカ国民と国際社会の広い範囲で評価された。

 四月、春風が顔をなでるころ、中国の首脳機関が置かれている中南海のハクモクレンの花が先を競ってほころびはじめていた。ちょうどその折、遺憾にも太平洋の向こうから寒々としたニュースが伝わってきた。そのワシントンの一連の近視眼的行為が中米関係のバランスの取れた発展に向けていささか不協和音を奏で、朱鎔基総理が予定していたアメリカ訪問にも暗い影を落としたのである。すなわち、アメリカに引っ張られて、ユーゴスラビアに対する北大西洋条約機構(NATO)の空爆が二週目に突入し、コソボ情勢をさらに悪化させた。また、アメリカはさらなる中国人権状況レポートを提出し、中米間における中国の世界貿易機関(WTO)加盟交渉もアメリカ側が法外に要求をつり上げたため見通しの利かない状況に落ち込んでしまっているということであった。このほか、アメリカ側はいわゆる中国によるアメリカの核弾頭技術スパイ疑惑をでっち上げてゆえなく中国を非難し、戦域ミサイル防衛(TMD)計画に台湾を組み込むことをたくらんでいる。こういった例は数えきれないくらいあり、両国の元首が打ち立て、また昨年の相互訪問によって強化された中米間の二十一世紀に向けての建設的戦略パートナーシップが早春の寒さにさらされているのではないかと、人々は懸念を感じずにはいられなくなった。

 たとえこのような複雑で困難な時にあっても、中国の指導者層は中米両国の大局から出発し、朱鎔基総理の訪問を予定通り行うことを決定した。四月五日、スローダウンし続けていた中米関係の船の帆に追い風を送るべく、朱鎔基総理はアメリカへと旅立った。

 朱鎔基総理は直言をはばからない性格で物事をずばりと言い、仕事ぶりも厳格かつ迅速であって、その率直さと英知は国際政界のだれもが称賛するところである。朱鎔基総理はずばりと言ってはばからないといった感じで、訪米が本決まりとなる前はワシントンの良くない政治的雰囲気について心中不満を感じていたと認める。それでも予定通り訪米したのは、アメリカ国民に希望を寄せていたからだということであった。アメリカでの最初の訪問地のロサンゼルスで、朱鎔基総理は語った。「中米両国の国民は互いに学び合い、友情を発展させることができた。この種の友情は、両国の国民ないし世界の人民にとってプラスとなるものである」

 朱鎔基総理の訪米は、中国の総理のアメリカ訪問としては十五年ぶりのことである。朱鎔基総理は今回の訪米をアメリカの人々とじかに接する絶好の機会と見て、アメリカ国民に中米関係上における中国の原則的立場を述べ、事実を列挙して道理を説き、実事求是(事実に基づいて真実を求める)の精神で問題の解決を模索するつもりでいた。

 一方、アメリカの一般大衆もアメリカのマスコミによる中国の悪魔化の一面的報道に早くから不満を感じており、同様に中国の総理の意見に直接耳を傾け、その姿を直接目にしたいと願っていた。オレゴン州の上院議員スミス氏は四月初旬の朱鎔基総理との会見の中で、朱鎔基総理に「総理にはアメリカの一般大衆と対話する十分な場が用意されている」と語った。スミス氏は朱鎔基総理の率直さと誠実さを称賛し、「朱総理はアメリカが中国を理解するためには、最高の顔である」と見ている。

 スミス氏は言う。「総理の姿からは一人の普通の人間としての情熱と優しさ、およびアメリカの大衆受けするリーダーの魅力を感じます」

 朱鎔基総理のアメリカ訪問は、総理自身の言葉を借りれば、アメリカ人の心を静めに行くということである。では、アメリカ人はなぜ怒っているのであろうか。答えは簡単である。それは誤解があるからで、例えば少なからぬ人が中国をアメリカにとって一種の脅威と見ている。朱鎔基総理はアメリカ滞在中にさまざまな機会を利用して、重点的に経済の角度からアメリカ人に次のように説明した。中国は現在まだ立ち後れていて、アメリカにとっての脅威となることはあり得ない。中国経済の発展は、中国にもアメリカにもプラスとなるものである。ここ数年間のアメリカの経済状況が良好であることは、米中経済貿易協力と密接に関係している。従って中国の発展はアメリカにとってもいいことであり、何の「脅威」があると言えるのであろうか。朱鎔基総理は中国の総理であり、そのアメリカにおける演説がすべてにわたって中国の利益を守るものであったのは当然である。しかし、朱鎔基総理はアメリカ人に語りかける際は常にアメリカ側の立場に立ち、中国へのハイテクと環境保全技術の輸出、さらには中国への投資が、アメリカの雇用問題にとっても、アメリカ経済にとっても、貿易摩擦を減少させることにとってもプラスとなるとアメリカ人たちが感じるように持っていったのである。極言すれば、自他共に利益を得るといった行動である。朱鎔基総理の演説を聞いたアメリカの少なからぬ政治家たちが皆中国をさらに理解するようになり、広範な商工界の人々も双方の経済貿易協力を拡大して中国を早期にWTOに加盟させるべきであるとより一層考えるようになったのも道理がある。

 朱鎔基総理は、「中国脅威論」を「中国チャンス論」に改めるよう提案した。この場合の中国は市場を意味し、また投資、金もうけの大チャンスであることを意味している。

 中米両国の有識者は、こういった改変は深く味わうに値し、争えない事実を語っているばかりでなく、双方関係の方向づけにとっても指導的役割があると一般的に見ている。

 アメリカ政府はおのずから、朱鎔基総理の今回の訪問の重要性、およびアメリカという世界のトップにある超大国と中国という最多数の人口、最大の市場を持ち、最も経済的活力と潜在力を持つこの国と友好関係を維持、発展させることの重要性を理解している。また、アメリカの有識者たちは、ある程度において、中米関係の方向づけがとりもなおさず二十一世紀の世界が直面する局面であると十分に認識している。アメリカにとって中国の国際的地位は過小評価できないくらい高く、中国の市場は放棄できないくらい大きい。このことは朱鎔基総理の訪問期間、なぜアメリカがこれまでにないスケールと格式でもてなしたかが難なく理解できる。

 クリントン大統領は朱鎔基総理の訪米の直前に、双方ともに「率直で誠意を持った対話を行う責任」があり、また「誠実で開放された、実務的な態度で、発展潜在力と食い違いについて話し合う」ことを表明した。クリントン大統領は、双方が「戦略的協力パートナーシップをさらに発展させることは極めて重要である」と認識している。

 朱鎔基総理もクリントン大統領のこの見方に同意し、併せて訪問期間にこれらの中身が伴っていない聞こえのいい表現を具体的行動に変えるつもりでいた。

 朱鎔基総理は、中国では仕事ぶりが厳格かつ迅速な人として称賛されている。そのほとんど残酷ともいえる日程においても、総理は精神力を発揮した。中国のWTO加盟問題に関する交渉およびCNNの著名ニュース・キャスターをはじめとするマスコミの取材への応対のほか、朱鎔基総理がアメリカの政界、経済界、社会各層と幅広く接し、語り合った内容は中米関係から世界情勢に至るまでさまざまな分野に及んだ。

 そしてさらに重要なことは、朱鎔基総理は自分の老婆心からの忠告に、各界から情熱的で幅広い反応が寄せられたのを見いだしたことである。

 イギリスのロイター通信社は、「朱鎔基総理は率直さと適切なユーモアで聴衆の心をつかんだ」と報じている。

 また、アメリカのミズーリ州のある地方紙の上村千春記者は『北京週報』記者の電話取材に応じ、「朱鎔基総理は西側との付き合いで、高いレベルのテクニックを披露した。われわれは、朱総理が警備を超えて記者たちとあいさつするシーンに注目した。朱総理が人々に与えた印象は、とても深いものであった。また、朱総理の物言いと振る舞いによって、中国の指導層および中国の一連の問題における原則的立場を、アメリカ国民はさらに理解するようになった」と語った。

 朱鎔基総理のアメリカ訪問は、中国国内の新聞、週刊誌でも話題の焦点となった。毎日、どのマスコミも朱鎔基総理の日程および訪問先でのエピソードを追跡報道した。時差の関係で多くの人が目覚まし時計をセットし、早朝に起きて朱鎔基総理訪米関係の鳳凰(フェニックス)衛星テレビ局の実況中継を見た。「朱総理の外交手腕には、それこそ脱帽しないわけにはいきませんよ」。町角の自転車修理工の李老人は言う。「総理がアメリカに対して言ったことは全部当たり前のことで、ひと言ひと言がすべて理にかなっていますよ」

 李老人は朱鎔基総理が農場を訪問し、そこで牛を一頭贈られたことに特別の興味を覚えている。「牛を贈られたということは、いかにも縁起がいいことのように思えます。どうもアメリカでは一般庶民の方が、役人よりましなようですね」

 当然、朱鎔基総理の訪問には同時に多くの具体的成果もあった。その中でも朱鎔基総理とクリントン大統領の共同声明は、中国のWTO加盟を断固として支持するというアメリカ側の公約を明確にした。朱鎔基総理の訪米は中米関係史に重要な一ページを書き加え、その意義は深くて計り知れないものがある。

 また、今回の訪問は毛沢東、ケ小平の後を継ぐ中国の第三世代の指導者が、複雑に入り組んだ国際関係を処理する能力を熟練させ、中米関係において建設的な役割を果たしていることを十分に物語るものであった。朱鎔基総理の訪米の成功は中米間の建設的戦略パートナーシップの枠組みを維持、発展させ、互恵互利、相互尊重の基礎の上で両国関係を強化、発展させることにとってプラスとなった。

 朱鎔基総理の訪米は、アメリカ政府がその対中国政策を安定させるのにもプラスとなった。周知の通り、アメリカの反中国意識と行動はその国内の政治闘争と密接にかかわっており、大統領選が近づきつつある今は特にその度合いが強まっている。朱鎔基総理はアメリカの朝野に対し、「アメリカの共和、民主両党は中米関係の面で、かつてもそうであったが今はさらに積極的責任を負う態度を取るべきである。なぜなら、それが中米両国国民ないし世界の人々の根本的利益に合致するからである」とはっきりと表明した。世界に目を向けると、NATOが主権国家の内政に干渉して、世界情勢はかつてない緊張感に包まれており、中米両国関係の安定を維持し、さらにそれを絶えず発展させることは世界平和に積極的影響を与える。

 中米両国は国交樹立二十年来、数々の困難な曲折を経てきた。中国は一貫して誠意を持った実務的態度で中米関係を推し進め、発展させてきたが、アメリカの対中国政策は常にアメリカ国内の政治闘争によって揺り動かされてきた。アメリカ政府の中には、常に中国を友好協力パートナーではなく脅威であり敵であるとするために「中国を抑え込む」と一方的に思い込んでいる一部の者もいる。アメリカは中米の三つの共同コミュニケの中で、中米双方は政治、経済、文化的背景が異なり、多くの相違点があると認めているにもかかわらず、その具体的行動においてアメリカ側はそのような相違点を受け入れようとはせず、常に自己流を他人に押し付けてきた。それに対して中国側は積極的で建設的な立場と態度を取り、相違点を認めて、事実に基づいて真実を求めるといった精神で、トップレベルの接触と対話を通して小異を残し大同を求め、問題を解決してきた。それが中米関係に存在するさまざまな問題を解決する唯一正しい道であることを、朱鎔基総理の訪米によって多くのアメリカ人が認識するに至った。

 広く称賛を浴びたマサチューセッツ工科大学での講演を含むボストン訪問の後、朱鎔基総理は訪米日程を終えた。朱鎔基総理は中米関係の安定した発展に対して楽観的態度を持っている。総理は、アメリカの各界の人々との接触を通じてアメリカ国民が中米両国の友好関係の発展を支持していると感じたが、このことは両国のさらなる友好協力の基礎を築くものである。総理にとって今回のアメリカ訪問は、「来た、触れ合った、事実を述べた、という体験」であった。アメリカ政府にとって、今は実際の行動をとって中米関係を推し進める時期であり、賢明な言葉を風と共に去らせてはならないのである。

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